介護保険の申請を考えた理由

介護保険の認定を申請する事になったのですが、疑問もあると思います。

「何故、今しようと思ったのか」というものと、逆の意味の
「何故、今までしなかったのか」というもの。

まあ、勝手と言えば勝手なんですが・・・・まず、「しなかった理由」から。
これは単純に「身体的には非常に元気」だからです。

介護保険制度ってのは、どちらかといえば身体的介護に特化しております。
当然といえば当然です。半身不随の人の方が余程介護が必要ですから。

だから、申請を仮に申し出たとしても「要支援」か「該当なし」になるんじゃないか?
そうなると申請するだけ無駄かな、と思ったのです。

さて、問題の「今、申請することにした理由」です。

まず第一に「冬であること」
冬は基本的に畑などの外働きが無い。
せいぜいが除雪や屋根の雪下ろしですが、融雪装置が完備している我が家としては、余程の事が無い限り一日中除雪しないと駄目という事は少なくなりました。
温暖化で屋根の雪もそれ程多くはありません。
屋根の雪も1m以下なら下ろす必要もないのです。
だから、基本的に今父は「ぼーーとして過ごす事が多い」のです。
そうなると余計に脳は退化する。
カルタやトランプをやるにしても限度がありますから。
計算ドリルはまた新しく買ってきてやっておりますが、何らかの刺激がないと、ね。
人が来たり、テスト受けたり。治験の開始もこの辺りに理由があります。

第二としては、「施設になれる事」
介護で嫌なことは、ある程度進行してから施設に行くと、「ついにここまで来たか」と本人も気付くと思う。
それがデイサービスであれ、ショートステイであれ、入居であれ・・・。
「悪くなった・・・あるいは邪魔になったから、入れられた」という思考が働くと、どうしても抵抗が生まれる。
そうすると後々の介護に支障をきたすのです。
もちろん、家族以外の親戚の目にも同じように映ると思います。

そうならないためにも、元気なうちから行っておく。
本人は暇潰しの一つになるし、施設の人もそれ程苦痛ではない。
うちの父は、入院した時、自分よりも進んだ人をよく介護していたそうです。
父自身にとってもそれは楽しみのようです。
月に一度か二度行くだけで、随分と慣れるのではないかと思います。

父の状態が進行し、どうしようもなくなって世話になる場合であっても、
施設の人は「知らない人」ではなく、「知っている人」になるわけなので、
抵抗も少なくなるのではないか、と思います。

そして第三は、「施設の人に顔を覚えてもらう」ということ
これは前項とも関連しております。
父がよく施設を利用するという事は、相手の人にもよく顔を合わせるということ。
そして、「あぁ、こんな感じの人なんだ」と覚えてもらう事が出来る。
進行した状態だと、介護する人にとっては言い方は悪いが「敵」であり、よくても「客」なのです。
息子から見ても父はいい人間だなと思います。
そういう父を元気なうちに知ってもらう事は意味があると思う。
施設の人も人間なので、好きな客と嫌いな客はあるでしょう。
介護する時にもそれは必ず影響します。
それが悪影響になる場合、父は次から行きたくなくなるんじゃないか。

これは父が「気に入られる」という事が前提の話なのですが、なんとなく自信があります。

第四は「認定に該当しなくても良い」という事。
これはちょっと分かりにくいかな、と思うので少し説明します。
介護認定は「要介護」の1~5(5が非常に悪い状態)、「要支援」の1と2があります。
それ以外は「該当なし」となるのです。
このうち、仮に「該当なし」となったら基本的に介護保険のサービスは受けることが出来ません。
もしかしたら受けることが出来るかもしれませんが、1割負担にはなりません。

じゃあ、「該当なし」になったら意味が無いじゃないかと思われそうですが、
これは自治体によって違いますが、うちの市の場合、「介護予防事業」を受けることが出来ます。

具体的には
「生きがい活動支援通所」サービス
 利用者のニーズ及び身体の状況に応じて、日常動作訓練から趣味活動(生きがい活動)等の各種サービスを提供。
 参加費は1020円(施設利用料300円、昼食代520円、送迎代200円)

「寝たきり予防普及啓発事業」のサービス
 認知症予防・介護予防教室等を開催し、寝たきり防止を図る
 利用料は実費のみ

「生活管理指導ホームヘルプ」サービス
 社会適応が困難な高齢者に対し、基本的生活習慣が身に付くよう支援するホームヘルパーを派遣(週に2回まで)
 (概ね65歳以上の介護認定非該当者で、日常生活の支援が必要な方が対象)
 30分以上1時間未満は187円
 1時間以上1時間半未満は262円
 1時間半以上2時間未満は337円

「食の自立支援事業」のサービス
 栄養バランスのとれた高齢者向けの食事(夕食のみ)を提供するとともに、
 利用者の安否確認をしてくれる(土日祝祭日、年末年始をのぞく)
 (65歳以上の一人暮らし高齢者や障害などにより食事の調理が困難な方対象)
 市民税非課税世帯 1食400円
 市民税課税世帯  1食755円

「高齢者等見守り支援事業」
 装置を利用して、日常生活における相談に対し、助言したり、緊急時の通報に対し、協力員への確認依頼等必要な措置を行うサービス
 (高齢者世帯や日常生活の見守りが必要な方が対象)
 月額400円

「一人暮らし高齢者等除雪支援事業」
 一冬に2回を限度として屋根や住宅周辺の除雪作業に要する経費を助成
 (高齢者のみの世帯などが対象)

「高齢者住宅改善費の助成」(所得制限あり)
 所得税非課税世帯を対象に30万円。要介護者等は46万6000円。

これらのサービスのうち、一番目と二番目のサービスに注目しております。
言ってみれば、介護認定を受けていなくてもデイサービスと似たようなサービスが受けることができる、というものです。
しかも、同じような人(比較的元気な人)が多いので、友達が出来たり、趣味がひろがったりする可能性もあるのです。
家族としては、一定の時間をきちんと預かってくれる事になるので、デイと変わらないといえるのです。
多分、他の自治体でもやっていると思いますので、ご自分の自治体のHPで確認してみたらいいと思います。

大体、こんな感じかな。別に大した理由ではありません。
とにかく、一度介護認定の申請をしてみて、どういった判定が出るのか
見てみたいと思います。

実はケアマネの資格試験の参考書などを見て、大体の判定基準(点数基準)は
分かっているのでそれ程狂いはないと思うのですけどね。
もちろん、医師の意見書などにもよりますし。

要介護認定(あるいは要支援認定)を受けた時に利用できるサービスなども、
その都度記事にしていきたいと思います。

コメント

  1. さち より:

    あけまして
    あけましておめでとうございます。
    またまたお久しぶりです。
    お元気でしょうか?
    こちらはなかなかパソコンをゆっくり見る時間がないものの元気に過ごしておりました。
    最近の母は、ちょっとした出来事、近所の友人の娘さんが出産した、そのお祝いをどうするのか、とかいうたいしことのない話をぐるぐる考え込んだりしたりしてますが、基本的には元気です。お薬は・・・時々飲み忘れたりもしているようですが・・・
    介護保険の申請私も考えていた時だったので
    とても参考にさせていただきました。

  2. clausewitz より:

    さちさんへ
    明けましておめでとうございます。

    はい、僕は元気にしております。
    父も元気いっぱい。今日も吹雪だというのに散歩に行く気満々でした。

    介護保険ですが、要支援などでも結構サービスを受けることが出来るので、どんどん利用していきたいと思っております。

    また何か進展があったら記事にしたいと思います。

    あ、それから、ご友人の娘さん、おめでとうございます(笑)

  3. なぽ より:

    Unknown
    お久しぶりです。
    本年も宜しくお願いします

    偶然です。私もおととい区役所で父の介護申請をしてきたところなんです。
    ブログを見て、ちょっとビックリしてしまいました。

    祖母がすでにデイサービスを利用していたので
    、流れは分かっていましたが父の申請というのは正直頭にまだなかったんです。
    元気だし、介護という生活はもう少し先になると思っていましたから・・・

    でも、いろんなサービスがあることを今更ながら改めて知りました。
    そして、一緒に住んでいる私たちの生活のことも考えると、父と離れる時間もとても重要なんじゃないかと・・・
    特に母の精神状態がますます不安定になってきてしまい、それも大きな心配の一つになってきました。
    clausewitzさんがおっしゃるとうりの思いです。
    父もそういう場に参加することで、新しいお友達や趣味が見つかるかもしれませんよね。
    お互いがいい時間を過ごせるようになったら、こんなに嬉しいことはないですもんね。

    そちらは、こちらより寒さが厳しいと思います。みなさま、お体にはくれぐれもお気をつけくださいね。

  4. clausewitz より:

    なぽさんへ
    本年もよろしくお願いいたします。

    おー、偶然ですねー。
    ちなみに僕はまだ申請はしておりません。
    2月1日に病院にいって主治医意見書を貰ってきますので、その後になります。

    介護はやはりある程度の余裕をもってやりたいですね。
    どうしても「私(俺)が見なければ・・・見てあげたい」という思いが先行してしまいがちですが、結果的にそれがいい方向に向いてくれるかとは別問題だと思います。
    それよりも、さっぱりとした雰囲気で介護してみたいです。

    最終的には限界が来るかも知れませんが、「楽な介護(精神的にも肉体的にも)は実現可能か」を実験してみようと思います。

    寒さに関してですが、最近は少し暖かくなってきたので大丈夫だと思います。
    暖冬=雪が少ない、とは限らないのでそれだけが心配だったりします。

    お気遣い、ありがとうございます。

  5. からっ風  より:

    ごぶさたしてます^^
    12月に母が退院しまして、そのままケアハウスに入所したのですが・・・。2週間で退去でした。退去する前に8月にできたばかりの高専賃に1泊お試しでしてきまして、そちらの方にお世話になることに。1ヶ月たちましたが大分元気になりました。
    そのケアハウスは見学に行った時に暗い印象があって、どうだろうと思っていたのですがやっぱりだめでした。もう1軒は持病で断られてしまい(こちらのほうが感じがよかったのです)仕方なく入所させたのですが、毎日泣いて暮らしている様子で^^;
    金額的に大分違いますが、母が穏やかに過ごせるのであればそのほうが私達の気持ちも楽なので続く限りはと思っています。
    介護保険の申請をなさるそうで良かったと思います。介護が大変になってからだと間に合いませんものね。
    これからはケアマネさんと、お父様の介護とご家族のケアをよく話し合われて、楽な介護ができるといいですね。

    出発前に風邪などひかれませんように
    イタリア旅行楽しんでらしてくださいね♪

  6. clausewitz より:

    からっ風さんへ
    コメントありがとうございます。

    やっぱり断られる事も多いのですね。
    毎日泣いている姿を見るのも耐え難いですし。
    せっかく今まで家族や日本の為に働いてきて老後がそれだと話になりませんからね。

    高専賃(高齢者専用賃貸住宅)に移られたのですね。お母様が穏やかなら良かったです。
    でも随分とお金がかかりそうですね・・・。

    ケアマネ、いい人にあたるといいのですが。
    嫌な感じの人(あるいは頼りなさそうな人)が相手でも「気に入らない」と面と向かって言えるかどうか・・・。

    実は、少し風邪を引いてる気がします。
    妻がちょっと前にひいて・・・病院へ行けと言っても「今日は調子が良い」とか言って行かなかったら悪化して、それが移って・・・。

    だから言わんこっちゃ無いって言っても後の祭り。
    一応、火曜日にでも病院へ行ってみます。
    (月曜は大学病院で缶詰なんです)

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