誤算と言えば誤算

父は呆ける・・・・・そう思いながら生活していた。

しかし、想定としては「仕事を辞めたらぼける」という事。
無趣味の父は、仕事がないとすぐに呆けると思ったのだ。

だから、6年か7年程前からずっと「何か趣味を作ってみれば?」と
言っていた。

しかし、帰ってくる返事は
「そんな事出来ない」「暇がない」「楽しくない」などの言葉のみ。

ありとあらゆる事を提案したが全て拒否。
「酒だけが楽しみ」と言い放った。

散歩でも読書でも、全て拒否。スポーツなんて論外。
DSで脳トレが出たときは、すぐに購入し、部屋に持って行って、
やり方など説明し、一緒にやろうと提案するもずっと放置された。

老人会のイベントに対しても同じ。
「そんな年寄りに混じってなんかしたくない」

同級生からの誘いも全て断り、親戚からの誘いも断った。
「行ってこれば?」と言っても「楽しくないから嫌だ」と。

寝るか、酒を飲むか、しかなかった。

正直、諦めた。
呆けるのは目に見えている。介護するだけの人生・・・かと。

ほんとに、ずっと前から呆け対策はしてきたつもり。
だけど、全く受け付けない。

言い方が悪いとかそういうレベルではなかった。
誰が言おうと同じだった。

本人は、一年前くらいから、認知症のテレビなどを観て、
「ああなったら大変やな」とか「呆けたくない」とか言っていた。
しかし、その対策として提案したことに対しては全て拒否されたのだ。
しかも「病院に行くか」という提案にも同じく拒否が待っていた。

これは誤算だった。一切を受け付けないとは・・・・。

ただ、もう二つ、誤算があった。

一つは、「仕事していてもぼけた」ということ。

そしてもう一つは、「そういう頑固さも初期症状の一つ」ということ。

一般的な呆けに関する本ではなく、何故、認知症の専門的な本を読まなかったのだろうか。

それだけが悔やまれる。

コメント

  1. 狸親父 より:

    Unknown
    はじめまして…では無いと思いますが、よろしくです。

    奥様のブログから此処へ来て、過去ログも読まさせて頂きましたが、
    何と申し上げて良いやら…と言うのが本音です。

    珍しい家庭事情の中で、奥様を労わり前向きに取り組まれている姿勢には、敬服致します。

    子供の件にも触れておられましたが、確かに今の時点では難しくはありますが、
    全ての難儀が降りかかるわけでも無いと思います。
    深く突き詰めずに、clausewitzさんが意識されている楽観的な対処で乗切られることを願います。

    あと、食欲失くしたら駄目ですよ。やる気は「食欲」からですよね。
    また、奥さんも食欲失くしちゃうと大変ですからね。

  2. clausewitz より:

    狸親父さんへ
    お久しぶりです。

    心配かけてしまって申し訳ございません。

    後にブログでも書きますが、随分と父も頑張っております。
    何とかなるんじゃないか、というのが今の正直な感想です。

    食欲は、ちょっとずつですが、回復傾向にあります。
    食べることは出来るようになりました。
    ただ、「何が食べたい!」ってのがあまりない。
    強いて言えば「うどん」でしょうが・・・妻は乗り気じゃない様子。

    でも、肉類食べても美味しいと思えるし、胃もたれも少なくなってますので大丈夫でしょう。

    妻のご機嫌を取らないと困るのは僕ですから・・・というか倒れたら僕が全ての家事をしなくてはいけないので、何が何でもそうならないように心がけております。

    コメント、ありがとうございました。

  3. meg より:

    こんにちは!
    私もclausewitzさんと卯月さん夫妻に感服して
    いる一人です。
    真剣に人生に対峙し、潔く決断されている姿に
    驚愕し、そして勇気ももらっています。

    お子さんのことも、男性がこんなふうにきっぱりと
    おっしゃる姿を見たことがなかったので、だからこそ
    覚悟の深さを感じました。
    もちろん、授かったら授かった時で、ね。

    たいしたコメントも入れられないのに、書き込みするのも
    どーかなーと思ったのですが、「読んでます!」
    ってことだけは伝えておきたくて(笑)

    悔やまれることも多いでしょうが、人には
    それぞれ「時」というものもあると思いますから、
    あまり気に病まないよう、それが体の病につながらないように・・・

  4. clausewitz より:

    megさんへ
    コメントありがとうございます。

    子供のことは、多かれ少なかれ、たくさんの男性が考えていることと思います。
    子供が出来ない家庭というのはたくさん存在します。

    そういう家庭で、いつまでも子供の事で妻を責めていてもどうしようも無いことと思いますし。

    相続などの問題で、どうしても子供が欲しくなったら養子を取れば済むこと。

    ちなみに、我が家では養子などとらず、財産資産は全て本家に返還することにしております。

    「読んでます」宣言、うれしいです。
    最初のうちは誰もコメントなかったし、止めようかなって思っておりました。

    後、皆様、時々書かれておりますが、
    我々夫婦はそれ程(感服されたり敬服されたり・・)、出来た人間ではありませんよ(笑)
    毎日、遊びほうけており、ダメダメ人間です。
    昨夜も離婚しようと喧嘩していたし。

    megさんもお体に気をつけて下さい。

タイトルとURLをコピーしました