第二段階

長い間、更新できずに申し訳ございません。

本来なら、日々の変化を克明に記し、後続の方(誰も好き好んで後には続きたくないとは思いますが)の参考にでもなればと思っておりましたが、いざ、自分が介護する立場を続けるとなると毎日の更新は厳しいものがあります。

まず、僕は介護の第一線から退きました。
仕事を優先したのです。

おかげで、日中は妻が一人で父の面倒をみる事に。
疲れて帰ってきた僕としても、なるべく父のことは忘れたい。

日々、進行していく父についていけない妻。

会社に行っていても、親戚から電話がかかり父の捜索をしなくてはいけない。
ちょうど妻も父を探していたようで、こちらからの連絡(親戚の方が、3km程はなれた所にいた父を報告してくれた)が功を奏したようだ。

家に帰っても、毎日毎日、面倒ばかり。

スリッパの履き替えも全く出来ない。スリッパを脱ぐことがまず出来ない。
出来たと思ったら、片方だけ再びはいて(次に履く予定のスリッパじゃなくて前履いていた奴)、戻ってきたり。
大体、スリッパの履き替えを指示しているだけで5分ほどかかる。
(こっちで脱いで、次これ履いて・・・では絶対にすまないから)

病院へ行っても同じ。トイレのスリッパを堂々と履いて、廊下を闊歩。
僕がいたら一緒に入ることが出来るが、妻は廊下で待つしかないので面倒極まりない。
家でのスリッパなんて辞めてしまおうかとも思った。しかし、トイレのスリッパを家中で履いている父を想像して辞めた。
(どうせ間違うのだから、トイレのスリッパでうろうろされる確率が低い方を選びたい)

パジャマを渡して「着替えて」といって服を苦労して脱がせても、
次の瞬間には同じ服を着て「ほら、おらだって服くらい着れる」と自慢げにたっている父。
病気とはいえ、腹が立つ。

「部屋でテレビ見ていてくれる?」
「もう夜なので部屋でゆっくり休んでください」

この言葉が全く通じない日々。
テレビをつけっぱなしにして、階段を下りて外へ行く。
びっくりして探して、部屋に戻らせて・・・布団に入れて眠らせる。
妻は根気強く30分程かけて安心させて・・・眠らせた。
眠ったかなと安心して寝室に戻るも、5分もたたずに階段を下りる父。
また追いかける。

「いや、お前(clausewitz)が下に行けというから」

は?そんなこと一言も言っていない!
とりあえず部屋に戻して。。。妻がまた説明をする。30分かけて。
眠るのを待つ。
寝たかと思って寝室へ戻るが、今度は即座に下へ。

「ちゃんと下へ行こうとしているのに!!」と怒鳴られる。

何なんだ、一体。

その上、「おらなんか、何のために生まれてきたのか分からない。早く死なんなん」と愚痴る始末。
じゃあなに?俺は介護するためだけに生まれてきたのかよ。
24時間の介護は本当に疲れるんですが。
寝ているときですら、階段を下りる音がするとどっちかが見に行く。
しかも父、怒られると思っているのか、必ず抜き足差し足である。
小さな音を見逃さないように、眠りも浅い。

僕も妻も、些細なことで喧嘩するように。
父の言葉ではないが、ほんと、何のために存在しているのか分からない。
おそらく、後、15年は同じ状態(いや、どんどん悪化していくはず)だ。
(15年といえば・・・50歳を超えるな。その時まで生きているのかすら不明だが)

さすがに限界が来た。
リハビリも全く効果が無かったので、全てキャンセル。新薬の治験もキャンセル(むしろ悪化した?)
当初週に2回程、デイサービスを利用してもらおうかと思ったが、

妻の「は?あんたは状況分かってる? そりゃ、あんたは夜だけだから楽だろうけど・・・」の一言に沈黙。

即座にケアマネに連絡し、「平日は毎日デイサービスをお願いします」と。

そして、現在。平日の妻(日中の間だけだが)は、随分と落ち着いてきた。

コメント

  1. ケロねーさん より:

    Unknown
    私も私の人生イコール介護?と思ったコトあります。この思考になると、辛いですよね。

    我が家のトイレのスリッパ、去年の夏からありません。トイレのスリッパで、煩わしい思いしたくないので、諦めました。
    自分の楽なほうダケを見つめて選択してください。(私は一人だから、夜は辛かったです。友達に『疲れた顔している』と言われるくらいまでになっていた)

    番号入力の鍵はどうでしょうか?

    ずーっと、今の状態が続くなんてコトはありません。お二人ならきっと乗り越えられます。

  2. clausewitz より:

    ケロねーさんへ
    トイレのスリッパが無いのですか!
    それは考えませんでした。
    全スリッパ排除ですか・・・。

    うーーん。
    実は父、夏場は泥だらけで帰ってくるので、スリッパ無しだとまともに廊下がひどい状態になるんですよね。

    はぁ・・・・。

    番号入力の鍵の件ですが、我が家ではたくさんの出口(座敷含め)があるので、とてもじゃないが現実的ではありません。
    鍵が閉まっていても必ず、他の所から出ようとするので。
    しかも、鍵がしまっている事に対してご丁寧に報告してきますから(しかも何度も何度も)
    「これではお客様が入れない!」とね。

    ほんと、面倒です。

    今も、夢を見たのか「水びたしにしたというがどこの事や。おらは知らん」とわけの分からないことを言って外に行こうとします。
    妻が止めても「@@ちゃん(妻)がそう言っていたが、どこの事や」と何度も何度も行こうとするし。

    本当に迷惑極まりない。

  3. ケロねーさん より:

    Unknown
    トイレにスリッパがありませんが、普通に履いているスリッパでトイレにも、入ります。
    朝、起きたら、トイレのスリッパも自分用のスリッパも、母の布団のところに、並べてあったりしたので、私用のスリッパは、隠しておいてます。

    母は、近所をちょっと一周すれば帰宅したくなるようで、川に行くというような目的がないので、楽でした。
    小さいマンションと庭があったり、農作業用の小屋があったりする大きな家では、出入口の数も違いますもんね。
    何とか、お二人が安眠できれば、良いのですが…。
    寝られる時には、寝るコトを心がけてください。

  4. なおます より:

    スリッパ
    どこのお宅も一緒ですね。 実家も同じ。はては外履きになります。

    根負け もうスリッパぐらい…になりました。(;_;)
    今はパンツ(さるまた)がなくなってるそうで、先日買い足ししましたが…
    意味わかりますか? 汚れがついたまま捨てるか
    どこかに隠すんですよ。
    親への尊厳なんてない、罵声浴びせて、見捨て帰ります。(数々の事で)
    でも 帰り道々後悔で泣きながら帰るんです。
    それでまた介護に行くんです。

    私は40台終わりからの介護ですが、義母のおかしな行動が始まった時は私の人生何?って思わず泣きました。
    卯月さんご夫婦は30台半ばから…先が長すぎます。

    兄弟姉妹も親戚も各家庭を持てば、正直他人の始まりです。最初だけ。
    長くなると結局当事者だけ。

    感情的になって自分の事ばかり支離滅裂になってしまいました。
    気分を害したかも知れません。すみません。

  5. マチ より:

    初めまして
    突然、失礼します(>_<)
    以前からブログ読ませて頂いてます。

    私の母も今年の7月にアルツハイマーだと診断されました。
    母が60歳、私は29歳です。

    診断されてからも母はまだパートで仕事を続け九州や関西に出張に行ったりしてます。
    同じことを何回も話す物忘れが多くなっただけで
    今でもアルツハイマーだなんてわからないくらい普通に生活できています。

    母が病気を診断されてから本やブログを読んで少しずつ理解してきましたが
    『どうしよう…どうしよう…どうしよう…』そればかりが頭の中をグルグルまわります。

    まだまだ母と一緒にしたいこと行きたい所、話したいこと沢山あるのに…どうしようもないですね…。

    ブログを読ませて頂くと皆が同じスピードで進むわけではないと思うけれど
    4年後には私の母も同じ状態になってしまうのかと思うと辛いです…。

    あと私には結婚を考えてる人がいて母の記憶がなくなる前に結婚しておきたい気持ちと
    介護生活がわかってる結婚をしていいのかとても悩んでしまいます…。
    彼はそんなの大丈夫だと言いますが他の病気の介護とは違う気がするので…。

    突然の書き込みなのに長文ですみません…。
    悩みを理解してくれる人がまわりにいないので皆さんと交流してみたかったんです。

  6. clausewitz より:

    ケロねーさんへ
    お返事遅くなり、大変申し訳ございません。

    そうなんですよ。出入り口というか出ることが出来る箇所が多いのです。
    玄関は二つだけなのですが、掃き出し窓が3箇所(座敷3室)もあるのでどうしようもありません。
    玄関に鍵がかけてあっても、何とかしてあけようとしている状態ですし。
    (そういう事にだけは頭が働くようです)

    しかし、最近の父は寒いからか知りませんが、前よりはおとなしく部屋にいてくれます。
    もう少し雪が降ると必死になって外に出ようと頑張るでしょうが、今の段階は一番楽です。

    このまま、大雪にならずにすめばありがたいのですが・・って絶対無理でしょうけどね(笑)

  7. clausewitz より:

    なおますさんへ
    お返事遅くなり、大変申し訳ございません。

    外履きですか!
    それは大変ですね。というか腹が立って仕方ありませんね。
    一応、我が家は今の時期、長靴以外の靴は隠してあります。

    汚れたパンツを隠す人は結構いるみたいですね。
    たぶん、我が家も近いうちにそうなるでしょう。
    ケアマネさんも「覚悟しておいてください」というニュアンスでした(言い方はもっと柔らかいですが)

    本当に親の尊厳なんてありませんね。
    おそらく、ノーベル賞をとった人だったとしても同じでしょう。
    そういう病気ですから。

    うちの親戚は、今のところ、僕らに対しては協力的(好意的?同情的?)なので助かります。
    僕らが多少非常識なこと(村の行事を休んだり、提出すべきものを提出し忘れても)をしてもおおらかにみてもらえます。

    姉も一応気を使っているのか、僕の言う事には素直に従ってくれます。
    今度、双子の孫(僕にとっての姪っ子)を連れてきてくれます。
    クリスマスの時期なんで、ね。

    気分を害するなんてとんでもありません。
    コメントありがとうございます。これからもどんどん気になったことは書いてくださいね

  8. clausewitz より:

    マチさんへ
    はじめまして。コメントありがとうございます。

    ただ、よろしければ・・・・・・・内容など書いていただけたらなと思います(笑)

    お待ちしております。

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