SPECT（脳血流シンチグラフィ）検査（長文・・・ご注意ください）

前回の予告通り、今回はＳＰＥＣＴです。

ＭＲＩと違い、ＳＰＥＣＴは脳に流れる血液の状態がわかります。
そのため、一見萎縮が無いように見える脳であっても、血液の流れを見ることによって機能していないという事がわかるみたいです。
他にアルツハイマーの検査としては、ＰＥＴ等もありますが、高額なためＳＰＥＣＴのみとしました。
ＳＰＥＣＴは保険適用なしで８万円程度。３割負担で２万ちょっとです（十分高い）。

基本的には、ＭＲＩやＣＴと同じような機械に入ります。
造影剤入りのＭＲＩの様に、ＳＰＥＣＴでは開始前に注射を行います。
ＲＩ（放射性同位元素）というもので、被ばく量はＣＴ以下となります。

基本的には、機械に寝っ転がって多少固定され注射をされて・・・・待つだけ。

なんですが・・・・

狭いんです！

ＭＲＩはいつもオープンタイプを利用しているし、ＣＴは機械が迫ってくる事はありません。
でも、ＳＰＥＣＴの機械は、機械が迫ってきます！
（参考画像・・・英語のページです。少し下に画像があります）

参考画像は胸部ですが、顔のすぐそばまで降りてくるのです。
しかも他のＳＰＥＣＴの画像は顔だけのものもありますが、私の受けたものは大きかった。
頭の先から膝ぐらいまであった気がします（少なくともおへそよりも下まであった）

最初は目を閉じてやり過ごそうとしていたのですが、気配を感じて目を開けてしまい・・・

その後は、ドッと汗が吹き出し、体中ゾワゾワとして急に手足をバタバタと・・・。
４０分位ですみますよーっと言われていましたが、とてもじゃないが耐えられそうにない。

す、すみません！　ちょ、ちょっと一度外してください

と、年甲斐もなく一時中断。
普段は冷静なつもりですが、装うこともなく醜態をさらしてしまいました。

（この検査、受けなくてはいけないのかな・・・・でも、これでアルツハイマーかどうか確定するんか）

と目まぐるしい葛藤があった。

看護師さんも面倒極まりないだろうに、優しく落ち着かせてくれて・・・

「本当に辛いのは５分程度です。その後は、開放感があるので・・・」とか
「お好きな音楽とかかけましょうか？」とか
「アイマスクしましょうか？」
「途中中断して休憩することも出来ますよ」

５分！？

耐えれるだろうか・・・・でも、何とか踏ん張ってみようか・・・・・無理な場合はどうすればいいのか？
途中で止めてくれるのかな？　
止めても通常通り請求されるのだろうな？
次の人も控えているんだろうな？

・・・・・

「何とか頑張ります。アイマスクと音楽をお願いします」

といったはいいが・・・・・・・不安で仕方ない。

そうこうするうちに、再び迫ってくる壁。

え？　なんで？　アイマスクはしてくれないの？

好きな音楽って・・・・聞かれてもいないよ？

まずい、ゾワゾワしてきた。
心臓もバクバクしている！

そうだ。大好きなネコを思い出そう。
猫島でたくさんのネコに囲まれている姿を想像しよう。

あー、かわいいな。

・・・・効かない！

せめて、妻に手を握ってもらえば！

恥を忍んでお願いしよう！

その時、「もう２分程で、視界が開けますよ」と看護師さん（技師さん？）

２分か。耐えてみよう。

そうしたら「一時休憩」と「アイマスク」をもらおう。

・・・・長かった。

本当に長かった。

ようやく、この様な状態に。

べ、別にそんなに開けてはいないんだけど・・・。

それよりも、休憩はどこへ？　

アイマスクないんだけど・・・！？

音楽？　
そういえば遠くで流れているけど、別に「好きな音楽」ではないよ？（別にいいけど）
それよりも、遠すぎてほとんど聞こえないんですけど。

結局、アイマスクもなく、休憩もなく、音楽も小さいままで、ＣＴやＭＲＩ程度の空間を
２０分程度味わう事となりました。

その間、何度、妻を呼ぼうとした事か。

これが、閉所恐怖症・・・・・という奴みたいです。

終わった時には、もう、心臓バクバク、汗びっしょりで疲労困憊。

ただ、この地獄のような検査を切り抜けた後、医師の結果を聞いたのですが、

取り敢えず、若年性アルツハイマーではない、という事が判明しました。

今、思い出しても嫌な検査でした。

似たような経験をする人は多いようです・・・・。

父を含め、何ともない人は全く問題ないみたいですが・・・、私には苦痛でした。

二度としたくない検査でした。

この後、飛行機にのる機会があったのですが、エコノミークラスに座った途端に同様の状態に陥ってしまいました。
もう、エコノミーは乗れない気がします・・・・。