父は、もうTVを見ていても「どういう趣旨の番組なのか」が分からない。
書いてあるテロップを必死で読んでいる。
そしてイチイチ感動している。
多少疲れるが、腹は立たない。ただ、虚しいだけ。
この先、父はどうなってしまうのか。
そして、おそらく僕のブログに来る方と同じように、僕も他の人のブログを
見てみます。
うちの父よりも進行している方のブログを・・・。
特に最初の方の最近のブログは・・・・見ていて辛いです。
この辺りとか・・・・この辺りとか。
毎日毎日、いろんな事を考えた。
夫婦でもいろいろと話し合った。
だからといって、何かの解決になるわけではないのだが。
今はただ、父を見守るだけ。
楽しそうにしている父を見ているだけ。
いろんな所に連れて行った。大阪や広島、長崎など。
もちろん近場にもいろいろと行っている。
父の思い出もそうだが、自分たち自身の思い出にもなると思ったからだ。
しかし、最近の父は、どこかに行っても疲れるだけ、なのではないかと思う。
家に帰ったらぐったりと寝ている事が多い。
人混みや知らない場所が苦痛なのだろう。
公共交通機関の乗り換えなど、苦痛以外の何ものでもないのだろう。
ただ、何もしないでぼーーとしていたらいいという物でもない。
適度な刺激は父にはいいだろうと思う。でも、過度だと余計に進行する。
その区別など、全く分からない。
やはり見守るしかないのかも。
最近、認知症の家族の方が患者を殺害するという事件が多い。
それを見る度に、「うん・・・分かるなぁ」という気分になってしまう。
ただ最近はちょっと別の見方に変わっている。
最初の内は、「介護、つらいからなぁ・・・廊下にウンチが散乱していたり、それを壁などに塗りつけていたりするのを見たら嫌になるよな」って感じだった。
あまりにもつらい介護に対する同情・・・。
しかし、最近はというと「早く楽にしてあげたい」と思うようになった。
自分が楽になるから、というのではなく患者を楽に・・・というか、
尊厳がまだ少し残っているうちに、殺してあげたい。そう思うのではないか。
アルツハイマーの介護は、およそ10年から20年。
治るわけでもなく、止まることなく、必ず進行する。
僕は以前姉に「あんたには子供がいないんだからその代わりに父の面倒を見ればいい」と言われてブチ切れた。
子供はだんだんと成長していくし、未来に希望もある。
しかし、アルツハイマーにはそれが一切無く、絶望しかないからだ。
同じ面倒を見る・・・という状態でも雲泥の差がある。
その先は先ほどのブログの方のようになるのだろうと思う。
そうなるとなんか父が可哀想になる。
一体、この病気は何なのか。
人間の尊厳をこれ程、奪う病気はあまりない。
どれだけしっかりしている人でも人気者でも、この病気になると最終的に「早く死んでくれ」と思われるようになる。
そういう風に考えると、「まだ患者が人間らしくあるうちに、楽に・・・」という考えが出てきてもおかしくないのではないだろうか。
とても法学部を卒業した人間の考える事でないのは分かる。
しかし、あなた(このブログを見ている方で患者の家族ではない方)も想像してみて欲しい。
尊敬している人(両親や有名人)や、大事な配偶者や子供が、もしも仮に、
そういう状態になってしまったら・・・・。
10年から20年かけて周囲の人全ての人に迷惑をかけ(しかもだんだん酷く)、
だんだんと人としての尊厳を失い、自分以外の家族も精神的に崩壊する様を何もしないで見続けるよりも、
例え自分が世の中から「ひどい奴だ。親不孝者」と言われようと、負の連鎖を断ち切りたいと考える人がいてもおかしくはないのではないか。
僕はまだそんな事はしないつもりでいるが、結果としてそのような決断をした人がいてもおかしくはないだろう。
もちろん、そういう人を無罪にする必要などない。
通常通りの裁判をし有罪判決を受けることになっても仕方ないだろう。
そういう人は、自分が罪を背負う事によって少しは気が晴れるだろうから。

コメント
Unknown
明けましておめでとうございます 今月号のきょうの健康を読んでみて下さい 私自身も気になる事があるので読みました
ジャムさんへ
明けましておめでとうございます。
「きょうの健康」ですね。
明日、早速本屋で探してみようと思います。
情報、ありがとうございます。