診断結果・・・・アルツハイマー病

父の診断のためドタバタしながらも大学病院へやってきた。

11時半予約であるが、12時頃、診察室へ案内される。

しかし父は二日酔いでぶっ倒れてる(笑)
仕方なく妻と二人で診察室へ。

MRIやPETの画像が並ぶ。
先生は一つ一つ、順を追って説明して下さった。

MRIではあまり分からないが、PETを見たら脳に萎縮が見られる。
記憶を司る海馬に始まり、脳の外側の溝が広がったり(つまりは脳が縮む)、
内側の部分にも萎縮が見えた。

SPECTの結果も同じだった。

病名 アルツハイマー病

この瞬間、ちょっと愕然となった・・・。

認知症の本は結構読んだ。

だから上手くすれば回復できるという自信があった・・・。

しかし、アルツハイマーは治らない。
進行を遅らせる薬はあるが、遅らせるだけ。

しかも、父の場合、よくて「38週間から1年間」遅らせるだけ。
それすら、「たまたま薬が作用して効いた場合」だけである。

逆に考えると1年後にはさらに進行して、人の顔も区別出来なくなっている可能性もある。

老年になってからのアルツハイマーは進行が遅く、20年くらいかけて進行がすすむみたいだが、
父のように65歳前後の場合進行が早く6年から8年で末期になる。
末期は完全な植物人間に近い状態。良くて寝たきり。
6年といってもすでに2年か3年ほど経過しているようだから・・・後がない。

経管栄養に消極的なヨーロッパでは、即「余命6年」と宣告される状態。

6年っていっても、意識がはっきりあるのは1年か1年半といった所か。

・・・・・・・・つらい。

だんだんと別人になっていく父を見て行かなくてはいけないようだ。

徘徊、失禁、脱糞、入浴拒否、暴力行為・・・・そして弄便(ろうべん)

弄便とは、うんちをいろいろな所に付着させたり、かき回したり、食べたりする行為。
大体この辺りで、普通の人は介護の限界を感じるようです。

介護者をレイプしようとするのもこの辺りか。

その後も寝たきりが続くので決して楽にはならないだろう。

経管栄養にするか尊厳死にするかの選択も迫られるだろう。

正直、困る、というレベルではない。

逆に考えることも出来る。

薬が効いたとして、の話であるが、

1年間は、意識もあるし、楽しいことを楽しいこととして認識できる

という可能性があるということ。

だからというわけではないが、

この一年間は、思い出を作るための一年間、とも言えるだろう。

もちろん、諦めることなどせずに最大限の努力はするつもりである。

もはや一日、いや一秒とても無駄には出来ない気がしてきた。

PS:現在、臨床段階にある特効薬が早く完成し、認可されることを願います

  また、本日より<「もの忘れ」との戦い>から<「アルツハイマー病」との戦い>にブログタイトルを変更します。

コメント

  1. ぎんたま より:

    はじめまして
    私の義母も59歳で若年性アルツハイマーと診断されました。今は介護保険も認められ週二回デイサービスに行ってます。
    アルツハイマーと言う病気は本当に進行が早いですね・・・明らかに一ヶ月前の母とは違います。余りのスピードに付いて行けず、毎日右往左往しています。
    blog拝見して余りにも私の状況と似ていたのでコメントさせて頂きました。

  2. kikouchi より:

    初めまして
    時々、卯月様のブログへコメントなど差し上げているkikouchiと申します。
    私は医師ではありませんので、間違った知識も多いかと思います。

    アルツハイマー病の宣告は、癌の告知に劣らず大変なショックを伴う事が多いと聞いております。お父様ご自身が、何より無念でしょう。
    しかし、非常に客観的に日記にされてますね。その勇気に脱帽です。
    漠然とですが、clausewitz様は家庭内でのトリアージ(救急の現場などで患者の優先順位を付けること)を果たされるのではないか、などと感じました。

  3. clausewitz より:

    ぎんたまさんへ
    ぎんたまさん初めまして。

    59歳ですか。つらいですよね。
    若年性は本当にスピードが速いですね。
    実は、去年の11月のCTでは未だに脳の萎縮がなかったのです(今から考えたら)

    そして1月の初診時からも状況が悪化しているし。

    お互い、大変っていう言葉では説明できない状況だと思いますが、「自分自身」を一番気遣いながらやっていきましょう。
    介護者がやられてしまうと一番最悪な状況になってしまうと思うので。

    これからも先輩としてアドバイスなどしていただけたらうれしいです。

    よろしくお願いいたします。

  4. clausewitz より:

    kikouchiさんへ
    こちらのブログでは初めまして、ですね。
    時々、ブログも拝見しております。
    料理に関する記事など、涎が出てしまいます。

    実は父は宣告を聞いておりません。
    ちょうど二日酔いで倒れておりましたから。

    本人には今の所「認知症」としか言っておりません。
    認知症の中には治る物もありますからね。
    せっかく本人がやる気を見せている状態なのですから、出来るならそのままの気持ちを持って欲しい物なので。

    父の性格上、「後2,3年で意識がなくなる」という状況には耐えられないと思うのです。
    進行を早めるだけになると判断したので、今の所宣告はしておりません。

    トリアージがしっかり出来るほど、落ち着いていられるか分かりませんが、なるべく冷静に物事を判断し、相談できることは相談しながら、なるべくまともな状態で介護していけたらな、と思っております。

    これからも、いろいろな視点でのアドバイス、よろしくお願いいたします。

  5. apollo より:

    初めまして
    いつも卯月様のブログを拝見させていただいているapolloと申します。

    私の母は現在81歳で、認知症の初期と診断を受けたのは7年前です。その時は、やっぱりと思いながらもショックでした。

    それからは、物取られ妄想、徘徊、暴言に振り回されながらも、介護保険や家族の協力を得ながらなんとか過ごしています。

    私の年代は、父母や義父母の介護をしている友達がとても多いので、相談したり愚痴を聞いてもらったりしています。

    ここ数年、友達と話していて思ったのは、人によって進行具合がまったく違うという事です。

    何が良くって、何が悪いのかわかりませんが、
    少しでも進行しないようにと、願いながら介護しています。

    clausewitzさんの、お父様を思われる気持ちに、胸が熱くなりコメントさせていただきました。

  6. clausewitz より:

    apolloさんへ
    初めまして。

    コメントありがとうございます。
    進行具合は人によって違うので、なるべくなら・・・遅いことを願っております。

    もしも思ったよりも速かった場合でも、後悔の無いように介護していきたいと思います。

    これからもよろしくご指導下さい。

  7. 立華 より:

    うちも
    はじめまして
    うちの父も、アルツハイマーで、
    今暴力行為まで、すすんでいます。
    ありがとうございます。ブログ読んで
    元気がでました。
    私も思い出づくりをしたいと思います。
    一緒に頑張っていきましょう。

  8. clausewitz より:

    立華さんへ
    はじめまして。コメントありがとうございます。

    暴力行為ですか。大変ですね。
    この病気はすごく厄介です。
    だんだんと相手の尊厳がなくなってきます。

    父親の進行度も重要ですが、何よりもまず立華さんが「楽」な介護を心がけてください。
    なるべくストレスがたまらないように(ただでさえ溜まりまくるので)して下さい。

    介護しているというのに、こんな遊び歩いていたら駄目なんじゃないか?とか思わず「好きなこと」をして下さい。
    そうすると、相手にも優しく出来ます。

    アルツハイマーの介護は、「なるべく相手に対して怒らない事」が重要かと。
    そのためにはこちらにストレスが残ると駄目なのです。
    また、無理をして介護していたらお父さんにも分かってしまいます。
    そうなると「別にお前に介護してもらわなくてもいい!」と介護拒否になってしまいます。
    誰も好き好んで子供に介護地獄を味わってもらいたいとは思っておりません。

    暴力行為が出ておりますので、グループホームなどは入ることが出来ないのでケアマネさんに相談し入れそうな処があればすぐにでも入所してもらうことが大切です。
    お父さんが抵抗あるようでしたら無理かもしれませんが、「周囲にどう思われるか」など気にする必要はありません。

    立華さんが、普段の生活を取り戻すことが最重要です。

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